富士急行6000系デビュー! 元205系が水戸岡鋭治デザインに、耐寒耐雪装備も
1985年に国鉄山手線向けに製造され、その後、JR東日本が京葉線で運行した205系電車を改造したという。
今回落成した2編成は日立製作所が製造した205系を改造したもので、今年度は川崎重工製と日本車輌製を改造した編成が1編成ずつ登場予定。
改造工事はJR東日本系列の東日本トランスポーテックが担当した。
6000系は富士急行の保有車両としては初の3両編成で、スイッチバック式の富士山駅側が1号車、大月 / 河口湖駅側が3号車に。
1号車の「クモハ6000」はモーターと運転台付き、2号車の「モハ6000」はモーター付きの中間車、3号車の「クハ6000」はモーターなしの運転台付き車両となる。
外観は205系の面影を残しつつ、運転席周りの黒と乗降扉の青を塗装し、そのほかの部分はカッティングシート加工となった。
帯などに用いられた青色は富士山をイメージしたという。
運転台窓下の黄色はこの青に似合うアクセント。
黄色のアクセントラインは、かつての富士急行バスでも採用されていたとのこと。
富士山の青と組み合わせて、ダイヤモンド富士を表現しているともいえそうだ。
戸袋(ドア格納部)には「FUJIKYU COMMUTER TRAIN」の頭文字を組み合わせたシンボルマークを配置。
乗降扉窓には水戸岡氏がデザインした富士急行のロゴが描かれた。
また、前面と側面の行き先表示器は方向幕からLEDに変更された。
客室は床やつり手に難燃加工した木材を使用し、ぬくもりや優しさを表現。
シートのモケット柄は数種類あり、隣り合うロングシートで組み合わせを変えるという遊び心も。
2号車「モハ6000」は1号車側の座席を1台撤去し、車いすスペースを設置。
室内の乗降扉上部にはLED案内表示器も搭載し、千鳥式に配置された。
車内放送の自動化も実施され、運転室に制御装置が新たに取り付けられている。
自動音声はこの分野で活躍するクリステル・チアリさんが担当。
1号車「クモハ6000」は、モハ205にクハ205の運転台を移植した車両。
モハ205の床には台車点検用の蓋がある関係で、乗務員室の扉が右端から中央部へ変更されている。パンタグラフはシングルアーム形に変更された。
これは、205系の菱形では積雪時に下がってしまうためとのこと。
パンタグラフは2台搭載し、架線に霜が付いた場合の霜取り装置を兼ねているという。
このほか、寒冷地仕様として「乗降扉の手動開閉ボタン」「室内暖房設備の追加」「耐雪ブレーキ」「床下機器の耐寒耐雪構造」が採用された。
先頭車運転台側の台車には、スカートの内側にスノーブローと排障器を取り付けている。
6000系の初営業列車は河口湖駅15時37分発の大月行だった。
この日は2月29日「フジキュー」の日で、富士急ハイランドが入園料無料になっていたが、あいにくの積雪で訪問者は少なめ。
しかし途中の富士山駅で大勢の高校生が乗車し、新しい電車に驚きの声を上げ、室内を珍しそうに見渡していた。
もし晴れていれば、帰宅する高校生と富士急ハイランド利用客で混雑したはず。
今後も3両編成のメリットが活きてくるだろう。
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