「資源国通貨」同士でも分散投資が必要に
こうしたことを受け、商品相場においては原油や穀物などの価格が高水準にあり、為替相場においてはこれらの商品と関連性が深いといわれる、ブラジル・レアルやオーストラリア・ドル、南アフリカ・ランド、カナダ・ドル、インドネシア・ルピアなどいわゆる「資源国通貨」と呼ばれる通貨が注目されています。
これら資源国通貨の中から3通貨を例にとり、月次リターンを示したものが下図です。
世界景気が拡大傾向にあった2008年頃までは、それぞれのリターンに差がみられていましたが、それ以降は上昇・下落の方向性が同様になる傾向が強くなったほか、2009年後半以降は、リターンの幅も極めて近くなるなど、それぞれの通貨の動きの差が小さくなりました。
足元では、世界景気が回復の兆しを見せる中、再びそれぞれの動きに差が見られるようになっています。
このような動きの要因として、世界景気の回復・拡大時には、投資家が各国の景気動向をはじめ、保有資源の状況など各国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)をより詳しく見るようになる一方、世界景気の減速局面などでは、投資家のリスク許容度の縮小が大きく影響したことに加え、「資源国」という括りが意識されたことなどが挙げられます。
世界経済は緩やかながらも成長し、中長期的に世界の人口増加が見込まれていることなどを考えると、資源需要は着実に増加していくと予想され、それらに伴なう資源国通貨の相対的な強さが示されていくと期待されます。
そうした中、今後も、基本的には、各国の景気の状況や金利水準、通貨政策などの様々な要因が為替変動に影響を与えると考えられることから、「資源国通貨」同士のリスクを低減するために分散投資を検討する必要がありそうです。
(※上記は過去のものであり将来を約束するものではありません。
)(2012年3月22日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。
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