新興国の成長などを背景に、世界的に物価は上昇する傾向に
下図にみられるように、この10年強の期間で、先進国のGDPが約1.8倍になったのに対し、新興国のGDPは約4.5倍となり、こうした成長を反映するように、商品価格も大きく上昇しました。
また、需要増という側面に加え、天候不順やそれに伴なう生産量の減少、資源の枯渇、さらには金融緩和などを背景とした商品先物市場への資金流入など様々な要素が影響していることを考えると、商品価格は、需給関係のバランスを大きく動かす事態が発生しない限り、中期的に上昇しやすい上、それらに起因して世界的に物価が上昇する傾向にあると考えられます。
物価の上昇が世界経済の回復や成長を示すものであれば、金融市場にとってもプラス材料といえますが、物価の上昇が行き過ぎると、社会情勢を不安定化させる要因となりやすいことから、経済と物価の両方を注意深く見ていく必要がありそうです。
なお、米大手金融機関が世界の機関投資家を対象に3月に実施した調査では、インフレが最大のテールリスク(発生確率は低いが発生すると巨額の損失となるリスク)とした割合は16%と2月の4%から大きく増加しました。
世界経済の回復とともに、インフレに対する注目が集まっているようです。
(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。
)(2012年3月27日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。
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