航空トリビア (14) 地上と機内では異なる味覚、繊細な味わいのワインはどう選ぶ?
機内の気圧は地上より相当低い。
国際線の巡航高度は1万m前後だが、気圧はだいたい地上2400m付近。
富士山でいえば5合目あたりと同じだ。
そのため機内食の味付けも地上とは違う。
特に甘味と塩味が弱く感じるため、甘く塩辛い、濃い味付けになる。
筆者は何度となく地上で機内食を食べたが、昼頃に食べると夜まで満腹感と喉の渇きに見舞われる。
機内食は航空会社のケータリング工場で作っているから味の調整ができるが、難しいのが飲み物だ。
ワインやビールは基本的に市販品。
ビールは機内が乾燥しているため、おいしく飲めるという人は多いだろう。
問題はワインだ。
繊細な香りや味わいを楽しむ飲み物だけに、低い気圧や極度の乾燥は味を分からなくしてしまうと言われる。
「特に柑橘系の風味が強くなる」(機内食開発担当者)など、味そのものも変わるらしい。
しかし、そうした「悪条件」の中、空会社はどうすればよりワインを楽しんでもらえるか。
工夫を繰り返してきた。
良質なデザートワインを積むなど、通の間で知られた存在のデルタ航空は、ビジネスクラスのメニューの考案者とソムリエがタッグを組んでそのときの料理に合うワインを出している。