マネーのトリビア (18) 以前よく耳にした「公定歩合」、最近聞かないのはなぜ?
「公定歩合」という言葉、学校で習った記憶のある人も多いはず。
でも、最近ではまったく聞かれなくなりました。
なぜでしょうか。
そもそも公定歩合ってなんなのかというと、日本銀行(=日銀)が金融機関にお金を貸すときの金利です。
日銀の大きな役割の1つに、「金利の調節」があります。
景気が悪いとき、金利を下げることによって世の中に出回るお金の量を増やします。
そうすると、経済活動が活発になります。
逆に、景気が過熱しすぎたら金利を上げて、経済活動を抑えるわけです。
かつてはこの金利の調節を、公定歩合を使って行っていました。
公定歩合を上げれば、銀行も企業や個人へ貸すお金の金利や預金金利を上げ、公定歩合を下げれば銀行も金利を下げるといった具合です。
ところが、金融の自由化によって銀行の金利も自由化され、公定歩合で金利をコントロールすることはできなくなりました。
「公定歩合」の役割は終わったというわけです。
2001年からは公定歩合に代わって「基準割引率および基準貸付利率」という言葉が使われるようになっています。
とはいえ、日銀が金利をコントロールしなくなったわけではありません。