奥様はコマガール (43) 夫婦喧嘩と愛情表現の狭間
先日、古い友人と飲んでいるとき、彼がこんなことを言った。
「山ちゃんとチーちゃんって、いつか別れるんじゃないかって心配になるときがある」。
え、マジで――!? 思わず目を剥いた。
驚きすぎて、飲んでいた酒を吐き出しそうにもなった。
我が夫婦がそんなふうに見られていたとは、夢にも思っていなかったのだ。
友人曰く、その心配は普段の僕とチーの会話に端を発しているという。
チーに対する僕の言葉遣いが少々乱暴に聞こえることがしばしばあるらしく、そのためチーが内心辟易しているのではないか、あるいは夫婦仲が殺伐としているのではないか、かような勘繰りが働いてしまうらしい。
平たく言えば、うまくいっていないように見えるわけだ。
確かに、似たようなこと言われた記憶が他にもある。
例えば僕ら夫婦が贔屓にしている近所の居酒屋でのことだ。
その店の主人と女将さんは、いつもカウンターに座って飲み食いする僕とチーの様子が自然と目に入ってくるわけだが、2人とも仕事をしながら冷や冷やすることがよくあるらしい。
原因はもちろん、以下のような僕らの会話である。
「ねえねえ、飲み物は何がいいと思う? 」。