昭和の残像 鉄道懐古写真 (52) ゴールデンウィーク特別企画「偶然のシャッターチャンス」
最大9連休が取れることから、この機会を利用して国内外へ旅行に出かける人も多いのではないでしょうか。
旅といえば、さまざまな偶然がもたらすハプニングもつきものですが、それもまた醍醐味のひとつ。
鉄道撮影も同じで、さまざまな偶然が重なることにより、思いがけず貴重な写真が撮れることもしばしばです。
そこで今回はゴールデンウィーク特別企画と題し、「偶然のシャッターチャンス」から生まれた写真の数々をご紹介しましょう。
東急目蒲線(現・目黒線)奥沢検車区で、偶然とらえたヘッドライトの点検風景。
たまたまヘッドライトの上で腹ばいになっているところに出くわしたので、思わずシャッターを切りました。
めったにお目にかかれないシーンです。
ヘッドライトの高さはレール面から約3.5m、一戸建て住宅の2階の高さに相当します。
地上すれすれの位置から撮った写真2を見れば、その高さに加え、ヘッドライトが車両前面より突き出て取り付けられているのがわかるでしょう。
ここに腹ばいになって点検する人がいる、しかも頭の位置は完全に車両からはみ出ている……。
高所恐怖症の人にはできない、熟練のなせるワザでした。
南武線の72系を撮影中、信じられない幻の列車が走ることを偶然に知りました。
それは、中原電車区での撮影許可をもらうため、事務所へ向かっていたときのこと(当時の状況)です。
なんと「立川」行の行先板を掲げた出区寸前の17m車、しかも4連が停車中でした。
通常は2連で、浜川崎支線内のみの運行なのに、どうして!?早速、事務所で聞いてみると、当時南武線に配属されていた101系4連のオール試作車が故障したため、その代走で本線を走るとのこと。
当時の南武線は、72系と101系の4連・6連が運行されていて、まれに72系4連の基本編成に、付属として17m車の2連が増結されることはありました。
しかし、17m車だけの4連が走るのは皆無に近い出来事。
これは一大事! ということで、中原電車区での撮影は後回し。
電車区の脇で、本線上に姿を現す「幻の4連」を待ちました。
ついに姿を現した、昭和ヒトケタ生まれの17m車による幻の4連。南武線が72系化される前、17m車が主力だった頃をほうふつとさせる姿で、目の前を走り去って行きました。
南武線浜川崎支線八丁畷駅。
ここは、浜川崎支線に並走するように東海道貨物線が走り、直下には京浜急行線、駅の北西約200mを東海道線と京浜東北線が走るという、17m車と他の列車をからめて撮れる絶好のシチュエーションでした。
とはいえ、浜川崎支線の列車本数が少ないことから、なかなかチャンスに恵まれませんでした。
ある日、運良く八丁畷駅に停車中の17m車と、その向こうを走る京浜東北線103系をからめて撮影できました。
その写真を現像してみてびっくり。
なんと奥のほうで南武線101系も写り込んでいるではないですか! 2列車同時のつもりでシャッターを切ったら、偶然にも3列車を同時にとらえていたのです。
旧型国電を新性能車両へ置き換えるときのみ出現した、偶然の並び。
とくに地方路線での置換えは短期間で実施されたため、貴重な並びとなりました。
まずは宇部・小野田線で出現した、105系と旧国の並び。
車両メーカーで落成した105系が回送され、宇部新川駅に到着した直後の様子です。
続いては、身延線で出現したワインレッド115系との並びです。
撮影当時、すでに一部の列車が115系に置き換えられていましたが、まだまだ少数派。
電車区ではたくさんの戦前形旧型国電に囲まれ、肩身が狭いようでした。
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