ASEAN(東南アジア諸国連合)は、先頃、域内のインフラ整備を加速するため、今年5月に「ASEANインフラ基金」を発足させ、6月よりその運用を開始すると発表しました。
同基金はASEAN加盟国やアジア開発銀行(ADB)が当初資金を拠出し、2020年までに40億米ドルの融資を行なう計画としています。
ASEANは、経済・社会的発展などをめざして東南アジアの10ヵ国(※)が加盟しています。
約6億人の人口を擁する同地域のGDPの合計は約1.8兆米ドル(共に2010年)とインドをしのぐ経済圏であるといえます。
ASEANでは、モノ、サービス、資本や人の自由な移動を実現し、競争力のある自由貿易圏の構築をめざして、2015年に「ASEAN経済共同体」を創設予定であり、域内のインフラ整備が急がれています。
域内の民間インフラ投資をみると、2009年にいったん減少したものの、2010年にはエネルギー関連を中心に伸びています。
域内ではインフラ需要が年平均600億米ドルあるとの試算(ADB)もあり、民間資金などを活用したインフラ投資をはじめ、インフラ基金も重要な役割を担うものと考えられます。