世界経済は緩やかに改善~IMFの世界経済見通し
IMFは今回の見通しで、米国で景気回復の勢いが増しており、欧州の債務危機が和らぐ中、世界経済の成長は緩やかに改善しつつあるとの見方を示しました。
ただし、改善の足取りは極めて弱く、リスクは依然として高いとも指摘しており、欧州の債務危機が再燃したり、地政学リスクの高まりなどを受けて、原油価格が急騰すれば、世界経済の成長への回復が損なわれかねないとしています。
こうした見通しの中で焦点となっているユーロ圏については、2012年が「緩やかな景気後退局面にある」との見方を変えなかったものの、ドイツやフランスの経済がやや上向く見込みであることを織り込み、前回の見通しを小幅に引き上げました。
また、米国については堅調な景気の改善を、日本については復興需要による押し上げ効果などを背景に、それぞれの成長率予想を引き上げました。
その結果、先進国全体では、2012年~2013年の成長率が平均1.7%と、1月時点の平均1.5%を僅かに上回りました。
新興国については、金融および経済政策の一層の緩和と世界経済の回復などに伴なう外需の改善を背景に、2012年の減速の後、2013年の成長率は6%台まで再加速すると予想しています。
新興国の大国、中国については、中間所得層の拡大に伴なう消費の伸びが輸出減速を補う形で成長を後押しすると分析し、2012年成長率予想を8.2%、2013年を8.8%と見込んでいます。
世界経済の先行きについては、IMFが指摘するリスク要因などを注視していく必要がありますが、全体として経済成長率の見通しの改善は金融市場において世界景気回復に対する投資家の自信を強めることにつながるものと期待されます。
(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。
)(2012年4月18日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】