鑑定価格の上昇に伴なうJ-REITの資産価値向上に期待
日銀が4月2日に発表した3月の短観(企業短期経済観測調査)によると、金融機関の不動産セクターに対する融資姿勢を示す貸出態度判断DIは、大企業で+5となり、昨年12月の前回調査(+6)から1ポイント悪化したものの、引き続き融資姿勢の改善傾向が続いていることを示す結果となりました。
一般に、金融機関の不動産セクターに対する融資姿勢が積極的になることで、不動産売買が活発化しやすく、それに伴ない、実物不動産価格は上昇する傾向にあります。
また、実物不動産価格の上昇が、その後、不動産の鑑定価格に反映されていく傾向にあることから、不動産を保有・管理するJ-REITにとっては、こうした一連の動きによる資産価値の向上が注目されています。
実際、下図にみられるように、REITの保有物件の鑑定価格は、金融機関の不動産セクター向けの融資姿勢と連動性する傾向にあります。
足元で、金融機関の融資姿勢の改善が続いていることに加え、国内の景況感が回復傾向にあることなどを考えると、今後、鑑定価格が対前期比で上昇に転じる可能性があるとみられます。
加えて、REITの本来的な価値として注目されている純資産価格(NAV)