高収入になる割合が高いのは? 文系は”入試で数学受験”、理系は”物理が得意”
京都大学の西村和雄経済研究所特任教授、同志社大学の八木匡教授らの研究グループはこのほど、理数系科目学習者の昇進・就業形態(正規・非正規)・平均所得に関する調査結果を発表した。
それによると、大学受験で数学を選択した文系学部出身者の方が平均年収が多く、役職に就いている割合も高いことが明らかになった。
同調査は、日本の製造業の競争力に与える影響を見るため、理系学部出身者における理科学習の偏りと文系学部出身者における数学学習の偏りにより、卒業直後の就職パフォーマンス(初職の企業規模・就業形態)と現在の就業パフォーマンス(現職の職位・現在の所得)にどのような格差が生じているかについて、学習指導要領改訂の影響も考慮しつつまとめたもの。
その結果、文系学部出身者で大学受験時に数学を選んだ人(3,977人)の平均年収は532.2万円で、数学を選ばなかった人(3,795人)の443.1万円より、89.1万円も多いことが判明。
また、数学を選んだ人の方が、大企業に正規従業員として就職する割合や、役職者である比率が高いことも分かった。
理系学部出身者に関して、理科の得意科目別における平均所得を見てみると、物理が得意な人が最も高額で660.9万円。