業績好調のデルタ航空、新サービス続々 - 全クラス一新&デジタル化も進む
デルタといえば、日本とアメリカを結ぶ区間のシェア(旅客輸送容量)が30%にもなるエアライン。
アメリカだけでなく、ハワイやアジア、グアム、サイパンへも直行便を運航し、世界的な航空アライアンス「スカイチーム」の主要メンバーでもあり、海外旅行でマイルが貯められる機会も多い。
そんな”身近な外資系エアライン”が、最新かつ、ユニークなサービスを続々とスタートしている。
デルタは日本から直行できる行き先が一番多い外資系エアラインだ。
2010年1月に統合を完了したノースウエスト航空の日本路線やスタッフは、ほぼそのままデルタ航空に引き継がれたことから、ノースウエスト航空は日本でのデルタの前身といえるが、その民間航空としての歴史は最も長く、日本航空よりも先に商業フライトを開始している。
日本航空の創業にも関わり、日本の民間航空の礎を築いたエアラインでもある。
海外旅行者には今でもデルタを使って成田空港をハブ(運航拠点)空港にするなど、日本のエアライン同様に親しまれているが、2008年以降、新しく10路線を増やし、ますます使いやすくなった。
燃油の高騰や日本での震災、タイでの洪水、ヨーロッパの景気低迷などの影響で厳しい環境下にあった航空業界にあってデルタは、他社に比べて高い営業利益をあげ、乗客サービスの向上に注力することができた。
日本路線では2011年に福岡 - ホノルル直行便を就航し、今年4月には羽田 - デトロイト線を再開する。
デトロイト便は、行きは現地着が早朝、帰りは現地発が夜のため、アメリカ各地との同日乗り継ぎに便利だ。
機内は全クラスをリニューアル。
太平洋線のボーイング747-400型機のエコノミークラスには「スリムラインシート」を導入し、ひざ周りのスペースを従来より最大2インチ(約5cm)拡大。
可動式のヘッドレスト、USBポートも装備。
パーソナルTVスクリーンは9インチあり、タッチパネル操作も可能で、ビジネスクラスと同じ内容のエンターテインメントをオンデマンドで楽しめる。
国際線の全長距離便には「エコノミーコンフォート」を設置。
シートピッチ(座席の前後間隔)を最大4インチ(約10.2cm)広げたワンランク上のエコノミークラスで、通常のエコノミーでは有料のカクテル、リキュール類が無料になる他、空港ゲートでの優先搭乗サービスなども受けられる。片道80~160USドル(約6,600円~1万3,000円)の追加で利用でき、かなりリーズナブルな料金設定だ。
747-400型機のビジネスクラス「ビジネスエリート」の座席も、デルタ最新のフルフラットベッドシートにリニューアル。
一部が2階建ての同機の1階と2階の両方にこの新シートが設置される。
どの席も通路に面し、隣の人を気にする必要なく出入りできる一方で、1階中央部の2列のシートは向き合う形になり、カップルや夫婦、友達同士の旅行などに向いた配置。
プライバシー重視か、同行者と語らいながらの旅行か。
そうした使い分けができるようになっている。
シートはプライベート感にあふれ、かつ快適。
大型のダイニングテーブルと個人用のサイド・コンソールが設置されて寛いだ旅が楽しめ、窓側の席は窓向きに配されている。
全長約2m、幅約52cmのフラットなベッドにすれば、ゆっくりと身体をのばして横になれる。
747-400型機は一部が2階建てのため、ビジネスエリートは1階と2階の両方に設置され、どちらか好きな階を選べるのも魅力だ。
デルタは、テクノロジーの分野に早くから注力しているエアラインでもあり、アメリカ『PCWorld』誌で「最もテクノロジーの進んだ米国航空会社」に選ばれた実績を持つ。
スマートフォン向けアプリの提供や日本の空港(成田、羽田、関空、中部)へのe搭乗券(ペーパーレス)導入などに加え、アメリカ国内線では800を超える機材にWi-Fi無線インターネットを導入している。
これらの他、ニューヨークJFK空港(第4ターミナル)の拡張、アトランタ空港の新国際線ターミナルのオープン(5月)、空港ラウンジ「デルタスカイクラブ」のリニューアル&新設など、空港施設も続々と改善されている。
次のデルタを使った旅行では、様々な新しいサービスを体験できることだろう。
(画像提供: デルタ航空)【拡大画像を含む完全版はこちら】