高速バス衝突事故から、ツアーバスの安全への取り組みを考える (1) 高速ツアーバスについて
ゴールデンウィークがスタートした直後の4月29日未明、群馬県の関越自動車道藤岡ジャンクション付近で高速ツアーバスが道路側壁に衝突し、乗客7名が死亡、多数の重傷者を出した。
この事故の報道で、改めて高速ツアーバスの安全性、労務環境が問題となっている。
ツアーバスの安全管理はどのように行われているのだろうか。
高速ツアーバスとは、企画旅行商品の形態をとった貸切バスツアーである。
そのルーツはスキーバスやディズニーランドツアーと言われており、旅行会社がツアー参加者を募集し、貸切バスを仕立てて運行した。
2000年以降に貸し切りバス事業が免許制から許可制へ緩和されると、都市を目的地とする貸切バス旅行が大幅に増えた。
目的地が都市であるため、従来の都市間高速路線バスとほぼ同じルート、時間帯となった。
高速路線バスは路線の届出申請が必要で、運賃も30日前に届け出なくてはいけない。
また、公共交通という前提のため定期運行が原則で、乗客が少なくても運行する必要があり、停留所の設置義務もある。
これに対し、高速ツアーバスは単発の募集型旅行という形態をとっているため、路線の届け出は不要、運賃も自在に設定できる。