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鉄道トリビア (150) 東海道・山陽新幹線700系の次が「900系」にならなかった理由

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鉄道トリビア (150) 東海道・山陽新幹線700系の次が「900系」にならなかった理由
今年3月、新幹線300系と100系が引退した。

東海道・山陽新幹線では、車両形式は0系以降、100系、300系、500系、700系と、100の位が奇数で続いている。

しかし700系の次は900系とはならず、N700系となった。

なぜだろうか?東海道・山陽新幹線N700系は、700系をベースとしつつ、山陽新幹線での営業最高速度を時速300kmに引き上げ、車体傾斜システムを採用して曲線区間の速度を向上させた。

さらに先頭車の形状に直線を取り入れ、車内設備を充実させた。

700系のマイナーチェンジではなく、新形式として位置づけられている。

それまで、東海道・山陽新幹線の車両型式は「奇数×100」の数字が与えられてきたから、「700」の次は「900」になってもよさそうだ。

しかし、実際にはN700系となり、「700」の頭に「N」がついた。


各車両の型式は、700系が710形から始まる一方、N700系は770形から始まっている。

なぜ900系にならなかったのだろうか? 理由のひとつは、900番台をつけた新幹線の車両がすでに存在していたから。

900番台の車両は旅客営業用ではなく、試作車や線路の保守点検用に使われる車両で、「事業用車両」と呼ばれる。

962形は東北・上越新幹線用の試作車、923形は線路や架線などの設備を検査する車両で「ドクターイエロー」の愛称がある。

営業用車両を900系にしてしまうと事業用車両と区別しにくくなるため、900系にできなかったと考えられる。

ところで、JRの前身である国鉄時代から、車両形式における「9」はちょっと特殊な扱いだった。

キハ90系は特急用ディーゼルカーの試作車で、後のキハ181系のベースとなった。

キヤ191系は検測用の試験気動車、クモヤ491形は交流電化の試験車両だった。


「9」の扱いに関してはJRでも継承されているようで、JR東日本にはE993系「ACトレイン」、キヤE193系「East i-D」などがある。

ちなみに営業用車両でも、直流特急形電車189系、交直両用特急形電車489系は電気機関車と連結運転が可能で、特別な仕様だったといえる。

信越本線横川~軽井沢間(現在は廃止)の碓氷峠越えが急勾配で、電気機関車を必要としたからである。700系の次の形式を決めようとしたとき、800系はすでに九州新幹線が使っていたし、900番台も使いにくい。

では、ひとつ飛び越して「1000系」にしたらどうか? じつは、過去に「1000形」が存在していた。

東海道新幹線0系の試作車が1000形だったのだ。

1000形はその後、941形救援車、922形試験車に改造され、引退している。

1000番台も使いにくいし、かといって「1100系」では、700系からの連続性に乏しい。


いっそのこと新しい番号ルールを作ってしまおう、ということで、「N700系」で対処したようだ。

この「N」には、「New」「Next」などの意味が込められているという。

こうなると、N700系の次の形式は「N0系」または「N100系」になるかもしれない。

なお、本年度から運行開始予定の「N700A」については、N700系のマイナーチェンジと考えてよさそうだから、新形式が「N700B」「N700C」とはならないだろうと思われる。

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