骨に転移する確率が高いがんは、乳がん、前立腺がん、肺がん
同説明会は、製造販売元である第一三共株式会社(以下「第一三共」)、プロモーション提携を行うアストラゼネカ株式会社(以下「アルトラゼネカ」)が合同で開催した。
「ランマーク皮下流120mg」とは、多発性骨髄腫による骨病変ならびに固形癌骨転移による骨病変の改善に効果が期待される薬のこと。
一般名は「デノスマブ(遺伝子組換え)」という。
第一三共は、2012年1月18日に、同薬の製造販売商品を取得、同4月17日に薬価基準を収載している。
説明会では、虎ノ門病院 臨床腫瘍科 部長を務める高野利実医師による、「がんの骨転移について」の講演を開催。
そこで、デノスマブの有効性が語られた。
高野医師は冒頭、がん罹患率の推移について説明した。
昨今、女性は乳がん患者がもっとも多く、男性は胃がん患者数が最多で、前立腺がん患者も増加傾向にあることを説明。
その上で、骨に転移する確率としては、乳がん、前立腺がん、肺がんが圧倒的に高いと解説した。
さらに、転移性乳がんを例に挙げ、その治療指針を解説。
骨転移がみられた患者に対しての治療指針として、放射線や薬物での治療にと並行して、骨転移治療薬を投与していく必要があると訴えた。
高野医師によると、これまで、骨転移治療薬として使用されていたのは、「ゾメタ」、「アレディア」などの薬名で販売されていたビスフォスフォネートという薬のみであった。
しかし、新たにデノスマブが発売されることによって、患者の選択肢が増えたという。
ビスフォスフォネートとデスノマブの主たる違いは何か。
この点について、高野医師は、ビスフォスフォネートのひとつである点滴薬・ゾメタとランマークを比較しながら解説。
それによれば、ゾメタは十度の腎機能障害があると使うことができなかったが、ランマークは腎機能への影響が少ないため、腎機能障害のある患者でも使用可能だという。
また、ゾメタは15分以上の点滴で投与する必要があるが、ランマークは皮下注射で投与可能だと説明した。【拡大画像を含む完全版はこちら】