資源関連株の下落について~懸念される欧州経済と景気先行指数の改善
中でも、エネルギーや素材といった資源関連株の下落が目立っています。
この背景には、世界経済、特に新興国経済の減速懸念の強まりなどを受けて、国際商品相場が下落していることが影響しているとみられます。
欧州債務問題の長期化により、欧州経済が減速傾向にある影響を受け、資源の需要国である中国をはじめとする新興国の経済が減速し、原油や銅などの資源需要が後退するとの懸念が強まっています。
しかしながら、5月10日に発表された2012年3月のOECD世界景気先行指数は、前月比で5ヵ月連続の改善となり、世界景気が緩やかに拡大していることを示すものとなりました。
国・地域別の景気先行指数をみると、注目されるユーロ圏では、域内経済を主導するドイツの景気がこれまでよりも若干改善したことから、前月に続く改善となりました。
また、新興国が総じて改善傾向にある中、特に中国では、これまでの趨勢を上回る成長となる可能性が示されました。
欧州債務問題は早期に解決するものではないことから、世界景気に及ぼす影響を今後も注視していく必要がありますが、今回の景気先行指数の改善は、金融市場において世界景気の回復に対する投資家の自信を強めることにつながるとみられます。
そうした中、中長期的な観点からはエネルギーや素材などの需要拡大が続くとみられることから、市場の落ち着きとともに、資源関連株を選好する動きが活発化していくものと期待されます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
)(2012年5月11日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。
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