患者の10人に1人は自分の薬について理解していない―透析医療が抱える課題
5月31日、トラストシティカンファレンス・丸ノ内にて、バイエル薬品株式会社によるプレスセミナーが開催された。
セミナーテーマは、「今後の透析医療を考える」。
透析患者の治療における実態や課題ならびに、日本透析医学会治療ガイドライン改訂によって、今後、透析医療がどのように変わることが見込まれるかが説明された。
セミナーは2部構成で、第1部では、昭和大学医学部内科学講座腎臓内科部門 秋澤忠男教授が、ここ数年の透析患者数の推移や、治療法の移り変わりを解説。
それによると、透析患者の平均年齢は、2000年には61.2歳だったが、2010年には66.2歳と高齢化が進んでいるという。
この変遷は、より有効な治療法を求めて研究を重ねてきた結果だ。
こうした数値が出るにいたった過程で、2006年には「透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療」ガイドラインが改訂されている。
そして2012年には、「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診察ガイドライン」が見直されることになった。
後者においては、慢性腎臓病を悪化させるリンやカルシウムを体外へ排出させるための治療に使われる新規治療薬剤の評価や使用法、エビデンスなどが更新された。