音読や計算で脳を活性化し、認知症を改善する。「脳トレ」の川島教授が開発
それを踏まえて日常の介護やケアを行うことで、施設の質が向上し、離職率も下がったという報告が導入施設から挙がっているという。
また、「一人一人と向き合うことで、小さな変化にも気づくことができる」と大竹氏。
例えば、いつもは計算ミスをしないAさんが3つのミスをしたことがあった。
音読もいつもよりろれつが回らないし、名前もまっすぐ書けない。
これにスタッフが気づき、すぐに医師に診断してもらったそうだ。
そのときは「異常なし」という診断だったが、次の学習日にもミスが増えていたので、再度診察してもらったところ、クモ膜下出血の初期だということが判明。
スタッフの気づきによって、すぐに治療を受けることができたという。
このように、スタッフ自ら成長し、喜々として仕事に取り組むことで、施設全体の質が向上し、利用者が増えて経営状態がよくなるケースも珍しくないそうだ。
大竹氏は、「日本で効果が認められている学習療法をまずはアメリカに広げ、地球規模で貢献したい」と語った。続いて川島教授が、アメリカでの学習療法トライアルの成果を発表。
今回のトライアルは、オハイオ州クリーブランドのNPO法人高齢介護施設「エライザ・ジェニングス・シニア・ケア・ネットワーク」