被災中小事業者の「二重ローン問題」対策強化、支援決定までの期間を短縮
復興庁、金融庁、中小企業庁は17日、東日本大震災で被災した中小事業者の二重債務問題について、支援決定までの期間を約3カ月に短縮するなどとする対応強化策を発表した。
政府は、二重債務問題に対応するために「東日本大震災事業者再生支援機構」を設立し、今年3月より業務を開始。
これまでに受けた相談・依頼件数は445件に上るが、支援決定案件は5件、最終調整中の案件は51件にとどまっている(7月12日現在)。
このため政府は、同機構が支援を迅速かつ適切に行えるよう、新たな対応強化策を決定。
復興庁・金融庁・中小企業庁は連携して、機構の取組みを支援していくという。
今回決定した対応強化策では、通常約半年必要となる案件対応期間を約3カ月に短縮(小規模事業者ではさらに短縮)し、より迅速な支援決定を実現するため、事業再生に精通した人材の増員を計画している。
迅速・円滑な債権買取りを促すため、金融機関から引当状況の情報が示された場合は、その点も考慮に入れて迅速な処理を実施。
その上で金融庁から金融機関に対し、同機構の求めに応じて買取対象債権に関連する引当状況を提示するとともに、同機構から買取価格が提示された場合は、迅速に判断するよう要請するとしている。