昭和の残像 鉄道懐古写真 (60) 全国のふるさとを駆け抜けた蒸気機関車D51
今夏、お盆休みを利用してふるさとへ帰省した人も多いのではないでしょうか? 筆者はなんとなく、「ふるさと」に「鉄道」を重ねると、「蒸気機関車!」という方程式(?)が頭の中に浮かびます。
今回は「デコイチ」「デゴイチ」の愛称で知られる国鉄の代表的な蒸気機関車、D51の写真を紹介します。
まずは山陰本線東萩駅で撮影したD51から。
D51はおもに貨物用として、1936年から製造が開始されました。
第2次大戦中に大量生産されたこともあり、機関車1形式として最多の1,115両が登場しました。
このため全国各地で活躍し、国鉄を代表する蒸気機関車となったのです。
ちなみにこの「機関車1形式で1,115両」という記録は、現在も破られていません。
D51を含む国鉄のSL(蒸気機関車)は、国鉄が1960年から15年計画で実行した「動力近代化計画」によるディーゼル化・電化が進む中、1970年代に入ると急速に淘汰され、全国各地から次々と姿を消していきました。
これに際し、SLの煙から解放されることを意味する「無煙化」という言葉も使用されました。
山陰本線下関口のD51も、写真1~3を撮影してから8カ月後の1974年11月に引退。