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その道のプロに聞いた、一般もOKな岡山市中央卸売市場のおいしい楽しみ方

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その道のプロに聞いた、一般もOKな岡山市中央卸売市場のおいしい楽しみ方
「中央卸売市場」がある市は多いが、その中に入れるのはその道のプロばかりだという印象が強いのではないだろうか。

だが実は、市場に持ち込まれたばかりの新鮮な食材を使った一般客向けの小売店をはじめ、市場から仕入れたばかりの魚や寿司などを提供している店があるところも少なくない。

岡山市の市街地から車で20分ほど南に走った岡山港に面して立つ、岡山市中央卸売市場もそのひとつだ。

この市場ではせりなども自由に見学できるだけでなく、ここで働いている人はもちろんのこと、一般客にも小売りしてくれる店が軒を連ねた「関連棟」が設けられていることで知られる。

市場の入り口を入ってすぐ右手にある、昔懐かしい商店街を思わせるアーケードが架かった通りには、「ふくふく通り」という看板が掲げられている。

ここが一般の人でも自由に入ることができるエリアである。

東西約250メートルに渡るこの通りを中心に、新鮮な魚をはじめ、野菜や果物、パン、スイーツなどの食料を販売する店から雑貨を扱う店まで、実に個性豊かな64店舗が並んでいる。

通りを歩いてみたところ、いかにも市場関係者らしい、防水エプロンと作業着をまとった男性に遭遇。


おお、ラッキー!早速声を掛けて、魚のおいしい店を尋ねたところ、2つの店を紹介された。

一つ目はその男性も昼ご飯を食べるのによく利用するという「食堂 備前」。

町の大衆食堂を思わせる外観通り、入店すると日替わり定食や丼ものなどがズラリと並んでいた。

また、一品料理も各種用意されている。

この店は今年で創業35年を迎えるそうで、昭和のドラマにも出てきそうな、味わいある(愛すべき!)お座敷席や壁にかかった小物にまで、“老舗の食堂”と呼ぶにふさわしい風格が漂っている。

そしてメニューは和食から洋食までバラエティー豊かなラインアップで、どれにしようか迷ってしまう。

そこで店の人におすすめを聞いたところ、卸売市場にある店ならではの新鮮な魚介類を使った定食や丼ものが挙げてくれた。

注文カウンターの横には定食や丼の見本写真などが置かれているので、そちらも参考になる。


550円の日替わり定食なども気になりつつ、マグロをはじめ、サーモンやナカオチ、エビ、イクラ、アナゴ、ウニなどの魚介類がこれでもか!というほど盛られた「海鮮丼」(1,000円)を選んだところ、これが大正解。いやはや、もう、ネタの鮮度が違う!違いすぎる!新鮮なネタばかりなので、スーパーなどで売られている生ものは苦手という人でも、ぜひ食べてみてほしい。

ぷりぷりのエビ、口の中でぷちぷちはじけるイクラ…どの素材ひとつとっても「海鮮ってこんなにおいしかったっけ?」と驚かされること請け合い!丼に盛られた酢飯との相性も抜群だ。

みそ汁と半熟玉子、お漬物もセットで付いているのもうれしい。

ダシがよくとれたみそ汁が丼のおいしさを一層引き立て、アッという間にたいらげてしまった。

次にお邪魔したのが「味の匠大名庵」。

市場の入り口からみて一番奥に位置する寿司屋である。

寿司にも海鮮丼にも市場直送のネタを使っているので新鮮なのは当然だが、それに加えて値段が格安ということがポイント。


市場で働く人はもちろん、県外からわざわざこの店目当てに足を運ぶ人も多いという。

店内での飲食のみならず、持ち帰り寿司や仕出し、弁当などの用意もある。

ご主人の野崎愛次に話を伺ったところ、「うちはスシローなどに鮮魚を卸しているのですが、そのノウハウを生かしたいと思って3年前に店をオープンさせました」とのこと。

寿司はもちろん、海の幸がふんだんに盛られた「海鮮丼」(1,480円)や「ミックス丼」(900円)なども評判だ。

「ピーク時には店内に人が入りきらないので、すぐ横にイートイン専用の店舗も設けています」と野崎さん。

お邪魔したのは昼を少し回ったばかりだったのだが、既に店頭に並べられた持ち帰り寿司も残り少なくなっていることから、人気の高さが伺い知れた。

店を後にしたところで、パン屋に入ろうとしている小さなお子さん連れの女性を発見。

話しかけてみたところ、市内からいらしたとのこと。


こちらのパン屋「てづくりKOBOあおぞら」の天然酵母を使って作られたパンがお気に入りなのだとか。

オーナーの采田美奈子さんにお話を伺ってみた。

「もともとパンが好きで、いつか自分の店を持ちたいと思っていたのですが、その念願がかなって2009年3月にオープンしました」。

采田さん自身が食べたいと思えるものを作ることをモットーとしているそうで、自家製のレーズン酵母を使用した天然酵母パンや、一晩かけてじっくり発酵させたフランスパンなどは、どれも安心・安全でやさしい味。「うちのパンや焼き菓子には、保存料等は一切使用していません。

それと、自宅で採れた野菜や、市場で仕入れた旬野菜・果物を使うことにもこだわっています」。

また、小麦は国産のものを使用。

塩は沖縄産、砂糖はビートグラニュー糖またはブラウンシュガーを用い、体への優しさを徹底的に追求している。


パンの種類は約40種類(130円~)そろい、どれにしようかと選ぶのも楽しいのだ。

さて、そうこうしているうちに閉店時間が近づいてきた。

朝早くオープンして昼過ぎには閉まるというのが、市場にある商店街らしいではないか。

でも、まだ後1軒くらいは訪れたい!!というわけで、通り中央に設置された休憩所で休んでいるサラリーマン風の男性に声をかけてみたところ、場内の事務所で働いている方だそうで、「おいしい店を探してんのね?だったら“ぶっかけ山ちゃん”に行ってみるといいよ」と教えてくれた。

この店は、場内で2008年8月から営業しているヨード卵を使った玉子焼きのお店「やまぎわ」の姉妹店だそうで、場内にあるやまぎわ鶏卵がオーナーを務めているんだそう。

同社代表取締役の山崎修司さんにお話を伺ったところ、「鶏卵の卸をしているうち、一般の人にも、もっと本当においしい卵を味わってもらいたいという思いが強くなり、昨年3月にオープンしました」とのこと。

鹿児島産の“ちらん赤玉”をはじめ、薩摩赤玉、しんたまご、みかん卵という厳選した4種類の卵からお気に入りを選んで食べられる「たまごかけご飯」(300円)や、新鮮な卵で作る「親子丼」(400円)など、驚くほどリーゾナブルな値段で、本当においしい卵を堪能できるメニューがそろっている。

目移りしながらも親子丼を注文してみたところ、舌が肥えた市場職員にもファンが多いというのも納得の味。


濃厚な卵が口の中いっぱいに広がる幸せをこの値段で味わえるなんて!!ここまで弾力感たっぷりの卵は栄養価も高いに違いないし、400円でなんだか得した気分♪ ちなみに「たまごかけご飯」は、たまご1個とご飯、みそ汁、おしんこ、たまご豆腐というセット内容。

また、おかわりしたい時はプラス50円でご飯と卵とみそ汁をいただくことができる。

さらに第2土曜日には、ご飯を注文した人は唐揚げが無料で食べ放題というサービスも行っているそうで、毎月この日は店の前に行列ができるのだそう。「ふくふく通り」にはその他、文房具店や花屋、肉屋などが多数並び、値段はどこも格安だ。

ただし、売り切れるが早いので、生鮮品を狙うなら早めの時間を狙って。

■食堂 備前
5:00~14:00
水曜定休、日・祝不定休
■味の匠 大名庵
6:00~16:00(持ち帰り)、11:00~14:00(イートイン)
無休
■てづくりKOBOあおぞら
7:00~15:00
水曜定休
■ぶっかけ 山ちゃん
平日:6:00~15:00
土曜・日曜・祝日:9:00~14:00
水曜定休
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