ゴワゴワにひび割れた皮をまとい、ガバリと大きく裂けた口には鋭い歯を連ねるワニ。
その姿から、抱かれるイメージはまず”恐怖”だろう。
デパートに陳列されたワニ革のバッグならばともかく、生きているワニに出会いたいとはまず思えない。
そんなワニでも、肉は淡白な味わいでなかなかおいしいという。
実際にオーストラリアではワニが広く養殖され、食素材として流通している。
現在ではオーストラリア産ワニ肉が日本国内でも購入可能で、ワニの尾のフィレ肉は1kg4,000円、手羽肉は1個200gのものが500円で手に入れられる。
ネットで「手羽肉」(実際は前足肉)を2個購入し、さっそく試食してみることにした。
注文から数日後、冷凍ワニ手羽が届く。
「Crocodile」の表示と共にワニのリアルなイラストが描かれたパッケージから取り出した身は、一見したところ鶏のモモ肉と変わらない。
しかしゴツゴツした皮が「手袋」のように残された手の部分と鋭い爪に、素材の正体をうかがえる。
さっそく調理にとりかかる。
まずは鶏肉の煮付けの要領で、茹で玉子と一緒に醤油味で1時間かけて煮しめてみる。
これが本当においしい。