長崎県の南東部、橘湾(たちばなわん)と有明海に挟まれた島原半島。
世界有数の活火山・雲仙岳(うんぜんだけ)を擁しており、その中心都市が島原市だ。
ここに一風変わった食べ物がある。
その名は「いぎりす」。
ロンドンオリンピックが開催されるイギリスと関係あるのか、いったいどういう食べ物なのか現地で調査した。
この「いぎりす」、考えていても仕方ないので手っ取り早く島原温泉観光協会に尋ねてみた。
すると「島原に伝わる郷土料理ですよ。
おばあちゃんが昔から作ってくれていた懐かしい味ですね」と同協会の下田香奈さん。
しかし、郷土料理なのに「いぎりす」とはますます混乱する。
「有明海で採れる”いぎす草”という海草を使った料理で、いぎすがなまっていぎりすになったそうです」。
なるほど、素材の名前が由来だったわけだ。
でも、どんな味なの?「うーん、うまく説明できないのですが、これという特徴のある味ではありませんね。
冠婚葬祭や人が集まるときのおもてなしに振る舞われるハレの日の料理で、年配の方には今も喜ばれていますよ」。
これは食べてみるしかない。
そこで、島原市内で唯一「いぎりす」