「金」は”バブル”なのか、長期的に”買い”なのか?--将来不安の20~30代が注目
そもそも金価格は長期で見れば、ここ10年ずっと右肩上がり。
特に米国が金融緩和政策を打ち出した2008年以降は、FRB(連邦準備制度理事会)が米国の商業銀行に対して供給しているお金の量、つまりマネタリーベースを急増させるのに連動して、棒上げしている。
グラフを見てもらえばわかるが、特にQE(量的緩和)1、QE2の施策が打たれたタイミングで価格が急騰しているのがわかる。
今年に入ってからは、金価格が上げすぎているという見解もあり、1~3月期1800ドルに迫る勢いだったものが、4~6月期は1500ドルまで急落する場面も見られ、調整時期と見られていた。
しかし、ここにきて、米国のQE3実施憶測と依然先行きの見えない欧州危機へのリスク回避から、市場が金買いに走る流れとなったと見られている。
金は長期的に見て”買い”なのか、それとも、単なるバブルなのか。
気になる人も多いだろう。
いろいろな意見はあるだろうが、一つ気になるのは、あのソロス・ファンドが金ETFの保有をここに来て倍増させたという話題だろう。
ソロス・ファンドは昨年、金ETFを大量に売却しているが、それは株式売買で出た損失の穴埋めのためともいわれている。
金価格が調整局面に入ったタイミングでの購入だけに、長期的に見て、まだまだ金は上がると見ているのだろうか。
こうした中、年金不安を感じる若者が金投資への関心を深めているというニュースも話題を集めている。
今年5月に金、銀、プラチナの積立口座を始めた楽天証券では、7月末時点で口座数が約7000に達し、このうち全体の約4割弱が30歳代だったという。
わかりやすい金投資の解説で大人気のマーケットアナリストの豊島逸夫氏のセミナーも、最近、20~30歳代の参加者数が急増しているそうで、特に赤ちゃん連れのお母さんなどの姿も垣間見られという。
将来への資産不安の解決法のひとつとして金投資に注目している20~30歳代が増えているということだろう。
実際、金は値上がり益を得るためよりも、財産の1割程度など、リスク分散のひとつとして持つには価値がある。
欧米アジアなど、通貨の価値が不確定な昨今、無国籍通貨としての金の価値は見直されつつある。実際、エジプト不安、ギリシアショックなど、政情不安が起きるたびに、金が買われている。
信用不安がくすぶる通貨や国債から、発行元の破綻リスクがない、現物という裏打ちのある金に資金が移動しているというわけだ。
また、インフレに強いという面も注目だ。
価格が上がりすぎでは?と思う人は、毎月3000円などからコツコツ積立のできる純金積立などで始めている方法もある。
今、大注目の金投資。
注目に値する投資対象なのは確かだ。
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