高速トリビア (14) 萌える人も萌えない人も注目! 知られざる「ジャンクション(JCT)」の世界
JCTを作る際は、周辺の用地状況や通過する車両交通量などを勘案して、最適と思われる形状としています。
道路を結節させる方法は、交差点による制御(平面交差)と、ICによる制御(立体交差)に分けられます。
高速道路のJCTで用いられているICは、多量の交通が一点で交わることを防ぐために、異なる高さで交わらせた複数の道路を、「ランプ」という勾配をつけた連絡路で接続させた構造となっています。
それではさまざまなJCTの形状を紹介していきましょう。
「直結Y型」は、直結ランプという、右折および左折のランプのみで3方向を接続しています。
日本の高速道路における三叉路JCTでは、ほとんどがこの構造を採用しています。
直結Y型の変形で、本線の走行車線から直接分岐する「左折直結ランプ」を組み合わせているため、進行方向を変えることなく走行ができる安全性が高い形です。
大きなものからコンパクトなものまで種類の幅は広く、複雑な構造形式で高低差があるものが多いです。
「トランペット型JCT」は、くるっと回る連絡道路が特徴的な構造です。
その部分がトランペットに似ていることから「トランペット型」と呼ばれています。
米原JCTが代表例ですが、東京外環道の大泉JCTもこれに分類されます。
日本では鳥栖JCTのみで見られる形状でしたが、車両の混雑に対処するため、2001年に連絡道路「サガンクロス橋」が設置されました。
よって、現在では純粋なクローバー型のJCTではなくなっています。
代わりといってはなんですが、変形クローバー型とされるJCTがいくつもあります。
そのうちの一つ川口JCTは、タービン型右折とクローバー型右折の組み合わせた形状です。
クローバー型の変形型が「タービン型」です。
回転機械というべきタービンの名前にふさわしく、立体交差に伴う高架橋を何カ所も必要とします。
近年の技術進歩により、新しく建設されるJCTはタービン型が多くなっています。
このほかに、高速道路同士の接続にもかかわらず、信号機を設置して平面交差にした前代未聞の「直結型」の美女木JCTや、日本一複雑と言われている垂水JCTなども有名です。JCTの世界は掘り下げれば掘り下げるほど奥が深い、まさに「JCT道」なのかもしれません。
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