マネーのトリビア (28) 自己負担する医療費には”上限”がある?! 「高額療養費」制度ってどんなもの?
とはいえ、医療費が100万円かかったら、3割負担でも30万円。
「そんなお金払えない!」と思ってしまいますよね。
でも、ご安心を。
公的健康保険には、1カ月の自己負担額が一定額を超えたら、超えた分を払い戻してくれる「高額療養費」という仕組みがあるのです。
どんなに医療費がかかっても、自分で負担する金額には上限があるということです。
上限金額は、所得に応じて次のようになっています。
これに従って、一般の人の1カ月の医療費が100万円だった場合の自己負担額を計算してみると、こうなります。
病院の窓口ではいったん30万円払いますが、自己負担の上限は87,430円なので、手続きをすると残りの212,570円が高額療養費として払い戻されます。
入院の場合は、あらかじめ書類を出しておけば窓口での支払いも上限額ですみます。
健康保険組合によっては、手続きなしで払い戻してくれるところもあります。
さらに、1年に3カ月以上、高額療養費の支払いを受けた場合、4カ月目からの自己負担額は一律4万4400円(一般の所得の人の場合)になります。
会社員や公務員の場合、健康保険組合が独自の制度を作っていて、医療費の自己負担額がもっと少ない(2万円とか)こともあるので、サラリーマンの人は、自分の加入している健康保険組合ではどうなっているか、調べておくといいでしょう。
医療費の負担は重くならないとしても、長期の入院で仕事を休むと給料が減ったり受け取れなくなったりすることも考えられます。
これに対しては、減収を補う「傷病手当金」という仕組みがあります(健康保険組合の場合。
国民健康保険にはありません)。
傷病手当金は、病気やケガなどで働くことができず、仕事を連続して3日休んだ場合、4日目から最長で1年半のあいだ受け取れます。
金額は1日あたり、給料を日割りにした額の3分の2(これより多い額を会社から受け取っている場合は支給はありません)。
入院だけでなく、自宅療養の場合でも受け取れるので心強いですよね。このように、病気やケガで長期に入院したり会社を休んだりしても困らないための制度があることは、ぜひ覚えておいてください。
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