”週休2日制”が導入のきっかけだった? 知れば知るほど深い『銀行ATMの歴史』
ネットバンキングや電子マネーが普及してキャッシュレス化が進んでいるとはいっても、キャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す機会がなくなったわけではありません。
特に日本人は”現金志向”が強いこともあり、ATMとキャッシュカードは現代人にとってまだまだ必需品といえるでしょう。
そのATMがいつごろ登場して、どんなふうに発展してきたのか、『銀行ATMの歴史 預金者サービスの視点から』(日本経済評論社)の著者である日本大学商学部教授・根本忠明先生にうかがいました。
ATMは「オートマチック・テラー・マシン」の略。
テラーというのは、銀行の窓口で顧客の応対をする人のことを指します。
その代わりをするのがATMというわけです。
ATMでは、預金の引き出しのほかに、預入や振り込みもできますが、その前身は、引き出しだけができる(預入や振り込みはできない)CDです。
CDは「キャッシュ・ディスペンサー」の略で、「現金払い出し機」と訳されます。
ATMは「現金預け払い機」です。
CDが最初に登場したのは1965年のイギリス。
といっても、その当時は引き出し金額を指定できず「10ポンド単位で袋詰めされたものが機械から出てくる仕組み」