くらし情報『「財政の崖(フィスカル・クリフ)」とは』

「財政の崖(フィスカル・クリフ)」とは

「財政の崖(フィスカル・クリフ)」とは
「財政の崖」とは、米国でブッシュ前政権時代から段階的に導入した社会保障税の減税や所得減税などが2012年末で期限が切れることと、2013年初からの国防費を中心とした、連邦予算の強制削減の開始などが重なる、急激な財政緊縮を指しています。

減税などの期限が切れ、家計の税負担が増すことで個人消費が減少するほか、連邦予算の強制削減によって、公共投資や社会保障・福祉など政府の投資が減少すると予想されています。

このため、「財政の崖」が現実のものとなれば、米国経済が深刻な状態に陥ると懸念されています。

CBO(米議会予算局)は、最新の米国の経済・財政見通しの中で、「当局が『財政の崖』について解決策を講じられない場合は、米国経済は景気後退とみなすべき状況になるだろう」との認識を示し、GDP成長率が2013年上半期に前期比年率換算▲2.9%、通年では前年比▲0.5%になると試算しています。

同問題の回避には、減税失効の延期・歳出削減の見直しなどが必要となります。

民主党・共和党ともに「財政の崖」はなるべくなら、なだらかなものにしようとの方向性では一致しているものの、例えば減税については、民主党が、中間層向け減税の延長のみを行ない、富裕層や大企業に対しては相応の税金を払うよう求めているのに対し、共和党は、2013年以降も、富裕層なども含めた減税を延長すると主張しています。

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