2012年9月28日 18:33
熊本県・南阿蘇、日本一長い名前の無人駅は豊かな水源地帯にあった!
南阿蘇鉄道には、日本一長い名前を持つ駅がある。
その名も「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」。
2007年に島根県松江市の「ルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅」の名が変更されて以後、この阿蘇の駅が日本一長い名を持つ駅として栄誉に輝いている。
それにしても、どうしてこんな長い駅名が生まれたのだろう?答えを教えてくれたのは、駅のホームに立つ案内板。
そこには、この駅の近くには、寺坂湧水、湧沢津(わきさわづ)湧水、塩井社(しおいしゃ)湧水と、優れた湧水地が多いのだと記されていた。
南阿蘇村旅案内人協会の古澤順正会長に聞いてみると、「駅のホームから見える南郷谷(なんごうだに)には、水田が広がっているでしょう。
面の水田に実る稲は、張り巡らされた水路からの“湧水”で育てられるんです。
保木下井手(ほきしたいで)という水路の堤は、なんと300年以上前に作られたものなんですよ」とのこと。
つまりこの土地は、阿蘇平原はもとより肥後平野全体を潤す、豊かな水のあふれる土地。
「水の生まれる里」とは、駅を指す名であるのだけでなく、村全体を指す名前であるともいえるだろう。
こうした湧水は、南阿蘇村全体ではなんと11カ所にものぼり、環境省選定の平成名水百選には、南阿蘇村湧水群として10カ所が名前を連ねているという。