航空トリビア (22) CAは「スマイル0円」ではない
少し前の話になるが、スカイマークが公表した「サービスコンセプト」が物議をかもしたことがあった。
正確には「スカイマーク・サービスコンセプト」と題した文書が機内に置かれ、「スカイマークでは従来の航空会社と異なるスタイルでサービスをしております」という書き出しで、8つの項目に分けた宣言がされていた。
内容を一部紹介すると、「1 お客様の荷物はお客様の責任において収納をお願いいたします。
客室乗務員は収納の援助をいたしません」「5 客室乗務員の私語等について苦情を頂くことがありますが、客室乗務員は保安要員として搭乗勤務に就いており接客は補助的なものと位置付けております。
お客様に直接関わりのない苦情についてはお受けいたしかねます」など、いわば「客室乗務員は保安要員」宣言ともいえるものだった。
ただ、実際に何度かスカイマークに乗って取材してみると上部の棚に収納しきれなかった乗客の荷物は客室乗務員が他の棚に持って行ってあげていたし、私語もまったくと言っていいほどなかった。
当時はエアアジア・ジャパンやジェットスター・ジャパンなどの外資系の低コスト航空会社(LCC)が就航前で、日本ではLCCが一般的ではなかったこと、それに読む側の気持ちを考えていない表現が多すぎることなどで、反感を呼んだようだ。