この犬はどんな犬!? 犬種を学んでみよう (6) ルネサンスが生んだ優美な傑作 -イタリアン・グレーハウンド
■イタリアン・グレーハウンドの歴史
「イタグレ」「I.G.」の愛称で知られるイタリアン・グレーハウンドは、イタリアを原産とする犬種です。
その起源は大変古く、数千年前までさかのぼるとされます。
古代エジプトの花瓶や食器などにその姿が描かれており、約6000年前の墳墓からはミイラが発見されています。
古代ローマ時代には貴族の愛玩犬として人気を博し、紀元前5世紀初頭にはイタリアに渡ったと推測されます。
イタリアではルネサンス期に大きな発展を遂げます。
貴族の間で珍重され、著名な画家による絵画も多く残されています。
17世紀にはイギリスに渡り、ここでも王族、貴族に愛されました。
その後、各国に輸出され、近代になると一般の人たちの間にも広まりました。
しかし第二次世界大戦後、小型化を目的とした繁殖のために犬の健康が損なわれ、著しく数が減少してしまいます。
この危機は、アメリカから良質な血統の犬がイギリスに逆輸出され、交配することで回避されました。
日本に紹介されたのも古く、江戸時代に輸入され、高貴な身分の女性たちに愛されました。
現在も多くの頭数が登録され、大きな人気を誇っています。