10月の金融政策・経済イベント~注目される米経済統計およびスペインの動向
各国の政策対応が出揃ったことで、10月以降は、これらの効果を見極めようと、これまで以上に主要国の経済統計への関心が高まっていくものとみられます。
米国では10月1日に、9月のISM製造業景気指数が発表されます。
9月の数字は、4ヵ月ぶりに景気判断の分かれ目となる50を上回るのかどうかに、また、先行きを予想する上で、新規受注に改善がみられるのかどうかに関心が集まっています。
また、5日には、9月の雇用統計が発表されます。
仮に雇用情勢に改善がみられれば、米長期金利が上昇し、円高の進行に一服感が出る可能性もあると考えられます。
欧州では、4日にECB理事会が開かれます。
今回は政策金利を据え置くとの予想が多いものの、欧州景気の減速感が強まっていることから、年内に利下げが行なわれるとの見方も強まっています。
そのため、理事会後のドラギ総裁の発言などによっては、市場が一喜一憂するような局面があると考えられます。
なお、欧州の最大の焦点は、財政・金融問題に揺れるスペインの動向です。
月内にもESM(欧州安定メカニズム)が発足する予定ですが、スペイン国債の利回りに上昇(価格は下落)圧力が強まれば、財政運営の持続性に警戒感が拡がり、市場の波乱要因になる可能性があります。
国内では日銀が1日に9月の企業短期経済観測調査(短観)を発表します。
また、4-5日および30日に金融政策決定会合を開きます。
4-5日の会合では現状維持を決めるとみられますが、30日の会合では「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」をまとめることから、その内容および当日の白川総裁の発言などが注目されます。
(※上記は過去のものおよび予定であり、将来を約束するものではありません。
)(2012年10月1日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。
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