この間取りどうなの? 田の字タイプの部屋【ファミリー・3LDK編】
3LDK・65㎡のよくある田の字タイプですが、間取りアドバイザーの飯沼孝氏に、プロの視点で「良いところ」と「気になるところ」を挙げていただきました。
<良いところ>
■広さは6畳以上が鉄則!キッチン・バルコニーの広さもチェックしよう
各洋室・和室ともに6畳以上です。
ご夫婦の主寝室ならば最低限6畳、子供部屋など個室として使うなら最低限5畳は必要ですが、その条件をクリアしています。
また、キッチンが広めに取られています。
大きいサイズの冷蔵庫や横幅の広い食器棚を置いても窮屈になりません。
バルコニーが長いので、家族全員の洗濯物を干しても十分なスペースがあります。
ちょっとしたガーデニングもできそうです。
■採光や風通しは窓の位置で確認しよう!
各部屋ともに採光が十分に得られる引き違い窓があります。
通風もしっかりできます。
洋室の窓は東向きなので、寒い冬でも朝の日差しに照らされながら、心地のよい気分で目覚めることができそうです。
■家族内のプライバシーはどうする?子供の成長にあわせて考えよう
各部屋が廊下や物入れなどで隔てられており、独立性が高くなっています。
子供が成長するにつれて、家族間でもプライバシーが大事になってきますので、壁一枚で仕切られた部屋よりは、このような独立性のある部屋のほうが無難です。
子供がまだ小さいうちや3人家族であれば、普段は和室の引き戸を取っ払ってしまうのはどうでしょう。
リビングダイニングと一体化させれば、開放感のある広々とした空間を演出できます。
和室は、小さいお子さんの遊び場として、お父さんのごろ寝の場所としても使えますね。
キッチンは、セミオープンタイプでのため、リビングダイニングとの一体感を保ちつつ、独立性もあります。
キッチンの様子をあまり見られたくない、だけど孤立感もヤダ、という方にはお勧めです。
料理を作りながら家族とのコミュニケーションも取りやすく、小さいお子さんの様子も見ていることができます。
リビングダイニング側にカウンターもついているので、そこでちょっとした軽食を楽しむも良し、カウンター下に収納スペースを設けるも良しと、使い勝手はライフスタイルに合わせて、いろいろと工夫ができそうです。なお、玄関前はポーチになっていて、共用廊下から奥まった形になっています。
玄関を突然開けても共用廊下を通る人にぶつかったり、邪魔になったりしません。
また、玄関の開け閉めの様子が、共用廊下の左右を通る人や同じ階に住む人から見られずにすみます。
<気になるところ>
■共用廊下に面する窓は、防犯、プライバシーでNG
2つ洋室の窓が共用廊下とダイレクトに面しています。
共用廊下を通る人の足音や話し声は、室内にいても結構響きます。
また、部屋の中の会話や音も共用廊下に洩れます。
プライバシー重視の方は、かなり気になるかもしれません。
さらに、共用廊下は見知らぬ人も通ることができますので、防犯面も気になるところです。
■表記に騙されるな!リビング+ダイニングで実質8帖は狭い?
LDKの12帖は、“リビング+ダイニング+キッチン”の広さですから、おそらくリビングダイニングの広さは、9畳くらいでしょう。
さらに、廊下からリビングダイニングに入ってすぐのキッチン横の廊下幅しかない通路部分(1帖ほど)も含めて9帖です。
その部分は、廊下の役割しか果たしませんので、リビングダイニングとして使える実質的な広さは、8帖程度と考えたほうがよいでしょう。
8帖にダイニングテーブル、ソファー、TVなどのオーディオ機器、収納棚、書棚などを置くことを想定すると、かなり窮屈になると思います。
ソファーを断念して隣りの和室をリビングとして使用するなど工夫が必要かもしれません。
■西側バルコニーは西日がきつい?
西側バルコニーに面するリビングダイニングや和室は、夏の西日の影響でかなり室温が上がります。
冷房を強めにしたり、遮光カーテンにしたり、バルコニーにすだれを置くなどの工夫が必要です。
ただ、冬は逆に日差しが入ることで、暖かさを満喫できますよ。
暖房の節約もできそうです。
■洗面室ドアは引き戸がベスト。
開きドアはNG
洗面室の扉が開きドアですね。
洗濯機を使うときは、ドアをいちいち閉めなくてはなりません。
大したことはないと思うかもしれませんが、日常のことなので、結構面倒に感じるはずです。
また、ドアの開閉部分はデッドスペースになるので、狭い空間が一層狭くなります。
引き戸であれば、問題ないのですが……。
手間がかかるかもしれませんが、ドアをはずして、アコーディオンカーテンなどにしてしまうのも手です。
ただ、賃貸の場合は、原状回復のことも考えて慎重にしてくださいね。
<総評>
ファミリー(3~4人家族)向けとしてお勧めの間取りです。
あまり広くないリビングダイニングには、あまり物を置かない工夫をしましょう。
無機質になりがちな廊下には、壁にお気に入りの写真や絵画を飾るのはいかがでしょうか。
インテリアとしても引き立ちますよ。
(間取りアドバイザー飯沼 孝)
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