ベテランFPが”こっそり”教える、知ってトクする保険の話 (9) 1990年代半ばまでに入った保険はお得な「お宝保険」
ファイナンシャルプランナーの中村宏です。
『ベテランFPが”こっそり”教える、知ってトクする保険の話』では、今回、Q&A方式で生命保険や損害保険に関するお役立ち情報をお伝えします。
今回は、20年以上前に保険に加入した方からの質問です。
【Q】就職後すぐ1991年1月に入った個人年金保険(年払保険料65,449円)と、1994年1月に入った養老保険(年払保険料312,000円)があります。
保険料が高いので見直しをしたいと思っていますが、どうしたらいいでしょうか?(45歳男性既婚)【A】この期間に加入した個人年金保険や養老保険などの貯蓄性の高い保険は、「お宝保険」とも呼ばれ、予定利率がとても高い保険です。
保険料の負担が生活に支障を及ぼさないのであれば、有利な「貯蓄」になるので、できるだけ続けたほうがいいですね。
この方の保険の内容をもう少し詳しくみてみましょう。
まずは「個人年金保険」。
37年間に支払う保険料の総額は、65,449円×37年間=約242万円になります。
それに対して、60歳からの10年間で受け取る年金の総額は、65万円×10年間=650万円です。
つまり、この個人年金保険は、支払う金額より400万円以上も多い金額を将来受け取ることができるのです。
次は「養老保険」。
生きていることを前提に考えると、26歳から46歳までの20年間に支払う保険料の総額は、312,000円×20年=624万円。
そして46歳までに受け取る保険金の総額は750万円です。
この養老保険では、支払う金額より約125万円も多い金額を受け取ることができます。
これらの保険は「高い固定金利の積立貯蓄」をしているのと同じです。
受取金額と支払金額の差額分は、保険会社が運用してくれているのです。
1996年3月までに契約した貯蓄性の高い個人年金保険や養老保険、終身保険などは、その時期の「予定利率」がとても高かったため、「お宝保険」と呼ばれています。
私たちが支払う保険料の一部は、保険会社が将来の保険金の支払いに備えて、契約時の固定の利率で運用します。
この運用利率を「予定利率」といいます。
将来支払われる保険金が同じであれば、「予定利率」が高いほど、支払う保険料は安くなります。
したがって、「予定利率」が高いほうが私たちにとっては有利になります。
「予定利率」は市場金利の影響を受けて変動していますが、かつてはとても高い時期がありました。
個人年金保険や養老保険、終身保険などの貯蓄性の高い保険は、定期保険などとくらべると保険料が割高。
そのため、保険料の支払いが家計に重い負担としてのしかかる場合があるかもしれません。
「なるべく解約をせずに続けるように」といっても背に腹はかえられません。
目先の必要な支出を優先しなければなりません。
そんな場合は、以後の保険料の支払いはストップするものの将来受け取る保険金を少なくして保障を続けることができる「払済保険」に変更してはいかがでしょうか?【拡大画像を含む完全版はこちら】