火事だ! 賃貸部屋で隣の部屋から火が出たらどうなる?
「電気ストーブで洗濯ものを乾かしていたら火が出た、たばこの火でカーペットが燃えた……など、ニュースになる以前のぼや騒ぎは日常茶飯事です」と話すのは、「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーの穂積啓子氏。
お隣から火が出て被害を受けてしまったら、あるいは自分が火事を起こしてしまったら、その始末はいったいどうなるのでしょうか。
詳しいお話を伺いました。
■火元の住人の責任にはならない!?
総務省発表の「出火件数の構成比率」(平成23年度消防白書)を見ると、平成22年度では、建物火災が全火災の58.2%で最も高い比率を占め、その56.9%が「住宅火災」となっています。
原因の1位が放火、2位がこんろ、3位がたばこと続きます。
失火の責任について穂積さんは、事例を挙げて次のように説明します。
「『隣人がぼやを出して自分の部屋も類焼した』というAさんの例では、Aさんは当然、隣人に弁償してもらえるものと思っていましたが、そうではありませんでした。
なぜかというと、『失火の責任に関する法律(略して失火法)』によると、火事に関しては、民法の『故意や過失で他人に迷惑をかけた場合は損害を賠償する義務がある』という条項が適用されないからです。