福岡県柳川で思わず声を上げてしまう、珍味イソギンチャクを食べてみた!
北原白秋の生誕地としても有名な柳川は、日本最大の干潟・有明海の近くにある。
この海には、ムツゴロウやワラスボ、クツゾコ、イソギンチャクなど不思議な生き物がすむが、柳川にはそれらを使った郷土料理が多数存在する。
一体どんな料理でどんな味がするのか調査してみた。
訪ねたのは、有明海の新鮮な魚介類を食べさせてくれる「夜明茶屋」。
同店はもともと、柳川で古くから続く網元で、明治23年(1890)に海産物商として創業した。
店名は夜明けと同時に出漁する漁師に酒を振る舞っていたことに由来する。
これは、漁の安全と大漁を願っての行いで、酒でありながら「お茶」と称して振る舞っていたという。
4代目のご主人である金子英典さんに話を聞いたところ、ムツゴロウやワラスボなどの料理を出し始めたのは約15年前。
金子さんから先代に、この地方に伝わる「故郷の味」を店で提供したらどうかと提案したのがきっかけという。
というのも、金子さんによると、その昔“宝の海”とも呼ばれた有明海だが、近年は漁獲量が減っているのだとか。
漁獲量が減ると、当然それに反比例して魚介の値は上がる。
そのことによって、かつては頻繁に食卓に登場していた料理が消えていったのだ。