ボージョレ・ヌーヴォー、不作である今年のお味は? - ソムリエが解説
ハロウィンが終わり、クリスマスがやってくる前の大きなお祭りといえば、そう、ボージョレ・ヌーヴォー解禁、である。
今年もこの日がやってきた。
このテイスティングを前に、今年は気がかりなことがあった。
「50年に一度」「ボージョレらしいボージョレ」「3年連続で偉大な品質となったボージョレ」と、ここ数年は品質の安定したボージョレ・ヌーヴォーが産出できていた。
ところが、今年は春先ぐらいからどうもあまり芳しくない気象情報がフランスのワイン産地から入っていた。
霜を伴った寒い春、6月は雨がしとしと、夏は不安定で雹害や嵐……。
畑やぶどうにとっては悪条件な表現が並んでいる。
実際、ぶどうの収穫量は例年より著しく減少し、ひどいところはほぼ半減、なんて話も聞く。
果たしてボージョレ地区はどうなのか。
「自然の女神は収穫量を半分にした」ボージョレ委員会会長、ブリュノ・マレ氏の開口一番の発言である。
しかし、収穫直前から収穫終了までの期間は天候が回復し、品質は安定したものになったという。
ということで今年のキャッチフレーズは、「心地よく、偉大なフィネスがあり、アロマの複雑さが見事なワイン」。