あいさつと同時にお辞儀をしてはいけない!?-和のマナースクール
憧れのしぐさ美人を目指し、「和のお作法を身につけたい!」と、今回は和のマナースクールを訪ねた。
ジャパンビューティーマナー「和のお作法学校」は、お作法研究家の林小春さんが主宰する教室。
小春先生は日本舞踊や茶道など、日本文化を伝える仕事に海外で従事してきた。
NYテロなどのため、海外での活動をいったん休止した後、現在のスクールを開講。
受講生の年齢や職業はさまざまだが、「30歳を目前に、マナーを身につけておきたいと通う29歳の生徒さんが特に多い」とか。
「みなさん、講座を終えると周囲の人から『最近何か違う』、『急にきれいになった』といわれるそうですよ」と小春先生。
今回は初級講座におじゃました。
講座は主に東京・浅草の和風建築の一室で行われる。
早速講座の開かれる部屋へ。
小春先生がりんと座り、その姿を見ているだけでも緊張してしまう。
まずはごあいさつから。
ここで、早速先生から注意が。
「『言葉は言葉、動作は動作』とするときれいに見えます。
ごあいさつは相手の目を見てしっかり。
そのあとお辞儀をしましょう」。
たしかに、「よろしくお願いします」、「ありがとうございます」などと言いながらお辞儀をするのはあまり美しくない。
先生が、良い例、悪い例を見せてくださるが、同じあいさつでもまったく印象が異なることに気付かされる。
「立ってお辞儀をするときでも同じですよ」と先生。
他にも初級講座では、立ち方、座り方などをマスターしていく。
立ち上がるときは、体の重心をスッと移動させる。
最初は難しく思えても、やってみると美しい立ち方は体に負担もかからず楽に感じる。
他にも、部屋に入るときなど、すべての動作において「家の主人にお尻を向けてはいけない」という基本ルールを教わった。
こうした基本ルールを覚えれば、どんな場所でも応用できそうだ。
一つ一つを学ぶことで、「受講生はみなさん、動きがどんどんきれいになっていきます」と小春先生は語る。次に、お抹茶のいただき方を教えてもらう。
まずはお菓子を全部いただいてから。
その後でお抹茶をいただくことが基本だという。
お抹茶を飲むときは、お茶を出す人に椀の一番よい柄が見えるように配慮することが大切。
お茶を出してくれたことに感謝し、正面に口をつけることを遠慮しなければならないという。
先生が「なぜその動作のほうがよいのか」、「そのマナーが生まれるまでの背景」などを細かく教えてくださるので一つ一つ納得できる。
緊張の連続だったお稽古も、先生のお話に聞き入っているうちにあっという間に終了。
生徒を厳しく指導するものの、「お稽古は失敗の場所。
ここでたくさん失敗して、外で堂々としてほしい」といわれて少し気が楽になる。
さまざまなマナーを覚えるのはとても大変だが、先生いわく、「暗記ではなく、かたちを身につけることが大事」とのこと。
「かたちは型に(かた)に血(ち)が通って初めてできあがるもの。
型だけ覚えればよいというものではないのです。
相手が何をすれば喜ぶのか、自分なりの『血』を入れると考えれば難しくないはずです」という。
「和のお作法学校」の上級クラスでは、テーブルコーディネートや手紙、手土産のマナーも学ぶことができる。
上級クラスをマスターした人にはディプロマ試験があり、「和の伝道師」として教える側に立つ道も開けるという。
日本人に生まれたからには、和のマナーを身につけて美しくふるまいたいもの。
うわべの美しさを追い求めるばかりではなく、古くから受け継がれた伝統や習慣を再認識するのも貴重な体験だ。
憧れのしぐさ美人を目指し、和のマナーを体験されてみてはいかがだろうか。
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