鉄道トリビア (178) 日本一高い鉄道駅にはバスしかこない
JRグループの駅で最も標高の高い駅は小海線の野辺山駅。
私鉄にこの高さを超える駅はない……と思ったら、あった。
標高は2,450mで、野辺山駅の1,345mより1,000m以上も高い。
ところがこの駅、鉄道事業法で定められた駅で、現在も営業しているというのに、やって来る乗り物はバスばかり。
廃線でも建設途中でもなく、初めからレールがなかった。
今後もレールが敷かれることはなさそうだ。
鉄道の駅だけどバスしかこない。
なんとも不思議な日本一高い駅の名前は室堂駅。
富山県中新川郡立山町にある。
立山黒部アルペンルートの経路のひとつで、駅の裏手から立山連峰を望める。
開業は1971(昭和46)年。
当時はバスターミナルだった。
それが1996年に鉄道の駅となった。
しつこいけれど、鉄道の駅になってもレールが設置されたことはなく、当時もいまもバスしか走っていない。
どうしてこの駅が鉄道事業法で「鉄道駅」とみなされているのだろう。
その理由は、バスが通常のバスではなく、トロリーバスだからである。
運営会社は立山黒部貫光。
室堂駅で案内される路線名は「立山トンネルトロリーバス」。