部屋選びの盲点?! 部屋の位置を間違えるとカビや騒音に悩まされる?
でも、本当にそれだけなのでしょうか?実は意外と見落としがちなのが、建物内の「部屋の位置」です。
住んでから「シマッタ!」と思わないためにも、新居を決める際にチェックしておきたいポイントをまとめてみました。
■人気の角部屋……でも窓が1方向にしかないと中住戸と変わらない?
上下左右が壁でおおわれている中住戸。
音が伝わりやすいという問題はあるものの、光熱費が角部屋に比べると少なくて済む、角部屋より家賃が安い、壁面全体を収納に利用できる、というメリットがあります。
一方で、片方がドアで片方が窓になった部屋の構造の場合、ドアを閉めると風が抜けにくいものです。
ただし、窓が両側にあり、一直線に風が抜ける構造であれば、開けっ放しにでき、比較的涼しいでしょう。
角部屋は、これと逆のことが言えます。
片方に住戸がないので、音が気になる確率が減る、ということでしょう。
窓の数が多いので、明るく、風通しも期待できます。
ただし、角部屋といっても窓が一方向にしかない場合、日当たりや風の通り抜け方は、中住戸と変わりません。
角部屋は中住戸と比べて賃料が高いことも多いので、その賃料分のメリットがあるかどうかよく考えましょう。
■半地下は湿気でカビが生える可能性も……
1階は、家賃が安いので人気があります。
階数が上がると段階的に数千円高くなる設定になっているマンションやアパートも少なくありません。
また、1階に庭があれば、花を植えたり小さなテーブルを置いたりできるので、暮らし方が広がります。
そのほか、下の階に響く音を気にしなくてもよい点や、災害が発生したときに避難しやすい点などのメリットがあります。
一方で、上階と比べて劣るのが、防犯面と日当たりです。
防犯を強化するために、自分で窓やドアを二重カギにしましょう。
大家さんと話し合って、開閉すると大きな音が出る雨戸を付けてもらうのもいいかもしれません。
また、1階は日当たりもよくありません。
日当たりを重視したい人は、天気のよい日の午前中と夕方に1回、部屋を見に行き日が差す状況を確認したいもの。さらに、湿気が地面にたまりやすいので、「布団を干しにくい」という声もあります。
逆に最上階はでどうでしょう。
直接屋上から太陽が照りつけるため、夏の暑さ、冬の寒さは他の住戸と比べてキツイものです。
光熱費は中住戸と比べて高くなると考えておきましょう。
また、最上階は人の出入りが限定されます。
つまり、ひと目につきにくいので意外にも防犯面ではやや劣るというデメリットがあります。
窓やドアの鍵を閉め忘れておくと、犯人はだれにも会わずに室内に侵入してしまうのです。
「最上階だから」と気を緩めず、鍵かけを励行しましょう。
なお、エレベータがない物件では、引っ越しが大変という声も。
窓から家具を釣り上げなければならない場合は、引っ越し費用が高くつくでしょう。
ところで、マンションやアパートのなかには、住宅の半分が地面より低い構造の「半地下」物件があります。
一般的に、1階より安い家賃が設定されています。
メリットは1階で示したものと同様です。
デメリットは1階以上に湿気がこもりやすいので、カビ対策を意識しておくことでしょう。
一方で、周囲からくぼんだ敷地のなかにあれば、豪雨のときに浸水するリスクがあります。
自治体のハザードマップで住まいの高低差を確認しておきましょう。
これらに納得すれば、家賃が安いのでオトク感があります。
■見逃しがちな共用部分。
騒音が気になる場合も……
もう一つ気にしておきたいのが、エレベータや階段など住戸の共用部分の施設と自分の部屋の位置です。
たとえば、エレベータや階段の前にある部屋であればいつも住民が通るため、防犯面は人目がある分安心できそうですが、ドアを開けた瞬間エレベータを待っている人と目が合うという気まずさも……住戸の前に階段があり、その階段が防音性に劣る構造であれば、「上り下りする足音がうるさい」、と感じる場合もあるでしょう。
同様に、給水施設(ポンプなど)のそばに住戸があれば、汲み上げる音が気になる場合もあるかもしれません。
部屋の前に駐車場があれば、窓を開けておくと排気ガスが入ってくる可能性もあります。
見落しがちなのが、ゴミ置き場。
部屋から近にゴミ置き場がある場合、夏場のゴミのにおいが気になることもあります。このように住みたい部屋だけではなく、建物全体として考え、自分が住もうと思う部屋はどの位置にあり、居住後にどのような状況が想定されるのかを十分、調べておきたいものです。
(不動産・住生活ライター 高田七穂)
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