資金調達の活発化に伴ない存在感の高まるアジア社債市場
従来、アジアの企業による資金調達は銀行からの借入が主でしたが、最近では調達手段の拡大が見られており、社債発行による資金調達が活発化しています。
アジア社債の市場規模は順調に拡大していましたが、サブプライム問題の影響を受けて起債が減少し、2008年10月末にかけては一時的に縮小しました。
ただ、その後は、サブプライム問題の影響が欧米と比較して相対的に軽微なアジアでは、企業の資金需要が旺盛なことを反映し、社債発行企業が増加したことに加え、平均的な起債規模(1銘柄の発行金額)が従前の3~5億米ドルから、5~10億米ドルへと大型化したことなどもあり、アジア社債の市場規模は約2,100億米ドル(2012年9月末)にまで拡大しています。
特に、アジア企業の信用力向上などにより格付の高い銘柄が相対的に増加したことに加え、欧州危機が本格化した後に、リスク回避的な投資家が相対的に格付けの高い債券を選好したこともあり、BBB-格以上の市場規模は2008年10月末と比して約900億米ドル増加し、約1,500億米ドル(2012年9月末)にまで拡大しています。
こうした市場規模の拡大などに伴ない、欧米機関投資家などによる投資が活発化していることに加え、上述の起債規模の拡大もあり、アジア社債の市場では流動性の向上が見られるほか、売買コストが低下傾向にあります。
アジア各国の信用力が高まっていることに加え、アジア地域の企業の財務内容が良好なこともあり、全般的に信用格付が上昇傾向にあります。
こうしたことから、今後もアジアの経済発展の恩恵を享受しつつインカム収益の獲得が期待できるアジア社債の存在感は高まっていくものと考えられます。
(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。
)(2012年11月2日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。
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