米国で大統領選挙の開票が始まると、比較的早い段階から、オバマ氏(民主党)がロムニー氏(共和党)よりも多くの州で、予想外の勝利をあげました。
そして、激戦州の一つであるオハイオ州での勝利に伴ない、オバマ大統領の再選が確実になったと、米メディアが一斉に報じました。
ただし、オバマ氏が当選に必要な過半数の選挙人を確保しても、総得票数ではロムニー氏を下回る可能性が残っており、もしもそれが現実となれば、再選を果たしてもオバマ氏の権威は低下したと、多くの人がみなすことも考えられます。
また、上下両院選挙では、上院での過半数維持に向け、民主党がかなり健闘しているものの、下院では共和党の優勢が続くとみられ、米議会の「ねじれ」状態が維持される可能性がかなり高くなっています。
このことは、「財政の崖」が懸念されるなか、好ましからざることと言えるでしょう。
今回の一連の選挙が、オバマ氏や民主党の大差での勝利でないことは明らかであり、共和党側が次期政権や民主党に妥協する可能性は低いと考えられます。
つまり、米国が団結に向かうとの望みはかなり低くなり、選挙後も分裂状態が続く可能性が高まったとみられることから、今後の成り行きを注意深く見守る必要があります。