アジアでは、急速な経済成長に伴ない、中国に続き、東南アジアなどでも道路や発電所、水道、鉄道といったインフラ整備の需要が高まっています。
また、アジアの巨大な消費市場を狙って外国企業の進出が相次いでいることなどから、アジアの企業は競争力の強化が必要となっています。
こうしたことなどから、アジアでは近年、企業の資金需要が高まっています。
これまでは、銀行からの借入が主な資金調達手段でしたが、最近では調達手段の拡大が見られており、社債発行による資金調達が活発化しています。
実際、2012年の10月最終週までのアジアの社債発行額は、足元までで689億米ドルに達しています。
これは、他の新興地域を大きく上回る額であるほか、2011年の同期間のアジアの発行額の倍以上となっています。
また、2012年通年では、750億米ドル程度の発行額になると見込まれています。
最近の世界経済は、欧州債務問題の影響などもあり、先進国を中心に低迷を余儀なくされていますが、こうした企業の積極的な社債発行状況からは、アジア企業の活動が活発化していることがうかがえます。
ADB (アジア開発銀行)の試算によると、2010~2020年の11年間で必要なインフラ投資額は中国やインドを中心に約8兆米ドルに上り、今後もアジア域内での資金需要は拡大が続くとみられ、引き続き、社債の発行の増加も見込まれます。