円相場および日本株式の見通し
こうした相場の動きは、12月16日に投開票が決まった総選挙を経て、自民党を中心とする新政権が誕生し、強力な金融緩和策を推し進めるとの観測が高まっていることを反映したものと考えられます。
弊社の基本見通しも、こうした観測と概ね一致する内容となっています。
日銀は、日本の足元の経済状況も考慮した上で、新政権からの強力な金融緩和要請に応じることになると考えられます。
そして、デフレ脱却への取り組みとして、消費者物価の前年比上昇率で”当面は1%”としてきた、「中長期的な物価安定の目途」を2%に引き上げ、国債および株価指数連動ETF(上場投資信託)の買入れ加速などに踏み切るものと予想されます。
また、FRB(米連邦準備制度理事会)が12月11~12日のFOMC(連邦公開市場委員会)で追加の量的緩和策”QE4”の導入を決める可能性もあり、それに伴なって想定される米ドル安・円高の回避に向けた措置としても、日銀による追加金融緩和が必要になると考えられます。
ただし、民主・自民両党が主張する、日銀による外債購入の実現までには至らないとみています。
こうした見通しを前提とすると、対米ドルでの円安がさらに続くと予想されます。
そして、円安、日銀によるETFの買入れ、新政権によるインフラ分野への投資拡大、さらには、デフレ懸念が緩むことなどに伴なう個人消費の拡大などにより、日本の景気や株式相場が押し上げられると見込まれます。
上記基本見通しの実現性に影響を及ぼし得るリスク要因として、以下のようなものが考えられます。
まず、格付会社が日本の格付の引き下げや引き下げの検討を発表したり、何らかの見解を示す可能性があります。
ただし、政治家だけでなく、恐らく市場も、そうした動きを過度に懸念することは無いとみられます。
また、強力な金融緩和策の実施を主張する、自民党の安倍総裁の言動が行き過ぎると、これを脅威と捉えた白川日銀総裁の姿勢がむしろ硬化し、追加金融緩和要請をはねつけることも考えられます。
さらに、中央銀行としての日銀の独立性が脅かされることとなれば、そうした動きが海外などから批判される可能性があります。そして、米政府が、日本政府・日銀の一連の行動を円高阻止に向けての為替操作だと見なせば、やはり批判が予想されます。
また、海外の経済・市場の動向は引き続き重要な要素であり、それらが日本の景気や金融政策、マーケットに影響を及ぼすことも考えられますが、この点については、必ずしもマイナスの要因ばかりではないとみられます。
(2012年11月19日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。
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