地震でモノが落下してフローリングに傷が……。修理代は誰が払う?
借り主は、「自分で修理せねば」などと思い込まず、貸主や管理会社、仲介時の業者などに相談してください。
――被害が大きくて、貸主が修理できないことはありませんか。
穂積さん:建物の補修が難しくて居住もできなくなった場合は、賃貸借契約は自然消滅となります。
その場合は、借り主による「原状回復等の義務」ももちろん解除されます。
契約時に支払った敷金や、保証金の返金率分は全額返還されます。
また、「1室だけが使えなくなった」、「風呂場は使えないがほかの部屋は使える」という場合は、貸主は使えない部分の家賃を減額する義務もあります。
その上で、使えない部分の修理回復を行うことになります。
■借り主は、被害にあったらすぐに家主に伝える義務がある
――「地震発生時には貸主に傷について言い出しにくく、退去時に伝えたことでトラブルになった」という例があります。
どう考えればいいでしょうか。
穂積さん:これは最もトラブルになりやすいパターンです。こういう例があります。
「ノートパソコンが机から落下して、壁紙が破れてフローリングに傷ができた。
しかし借り主はパソコンの修理で頭がいっぱいで、家主に伝えることをしなかった。