最後の秘境といわれる鹿児島県「トカラ列島」で男旅レポート!
「トカラ列島」って知ってる? そう聞くと、多くの若者が「樺太(からふと)の近く?」「北海道より上?」「北方領土のひとつでしょ?」などと、とんでもないアンサーが返ってくる。
最後の秘境と呼ばれた7つの島「トカラ列島」は、鹿児島県は屋久島の、さらに南にある列島なのである。
ここへたどり着くには、3日に1度、鹿児島港から東シナ海を南下するフェリーだけが頼りだ。
海が荒れれば当然フェリーは止まり、旅行者が1、2週間足止めを食らうこともザラだ。
今回は私、清田進が、トカラ列島のなかでも最多といわれる120人の暮らす中之島に、愛息と2人で上陸した。
島には国内に8種現存する在来馬の一種で、やわらかいブラウンの毛並みをもち、小型で従順な性質が特徴のトカラウマ21頭が、半ば野生の状態で放牧されている。
深夜に鹿児島港をたったフェリーは、翌朝午前7時に中之島港に入った。
活火山、御岳(おんたけ)が明けたばかりの空に向けて噴煙を吐いている。
着岸のためうなるスクリューが巻き上げるサンゴのくずは、港を白く染めていく。
鮮烈な景観のお出迎えで眠気も吹き飛ぶ。
この日世話になる大喜旅館へ着くと、まずは朝食を頂いた。