焼肉の人気メニューのひとつ、「タン」。
煮込んでシチューにしても人間の舌を喜ばせてくれる。
しかし世間で味わうことができる「舌」は、せいぜい牛タンか豚タンくらい。
それ以外の生き物でも、タンはおいしいのだろうか。
今回、哺乳類と爬虫類の舌をそれぞれ調理して、味を比べてみた。
哺乳類代表は、筆者が北海道で入手して冷凍しておいた「エゾ鹿のタン」。
爬虫類代表は、オーストラリア産で1パック5枚入り350g、1,350円の「ワニタン」。
まずは冷凍保存していた両者を解凍する。
ザラザラした味蕾に覆われ、生息地の松葉もこびりついたエゾ鹿タンからは「野生」そのものの濃厚な血の臭いが感じ取れる。
一方でワニタンは製品として下処理を施されているせいか、何の匂いもしない。
まずは薄切りにして、シンプルにタン焼き。
エゾ鹿のタンは牛タンによく似た味だが、やはり野生動物ゆえ舌まで筋肉の固まり、とにかく硬い。
一方でワニタンは弾力を帯びつつも柔らかい。
ワニの肉質は鶏肉に似ているが、舌まで鶏肉そのまま。
淡白ながら、しっかりと脂も乗っている。
かたくて濃厚なエゾ鹿タン、柔らかくて淡白なワニタン。