かかりつけの薬局がある人は4分の1程度。薬剤師を活用するメリットとは?
今回は薬剤師の役割と患者の意識のギャップをテーマに、同協議会のメディアリレーション委員会、村本史子副委員長が講演した。
同協議会は11月2から11月4日にかけて、薬と薬剤師に関する調査を実施。
過去1年間に急性期の疾患(※)などで、医師から薬を処方された20~69歳の男女で、院外薬局にて薬の処方を受けたことがある1,035人を対象に行った。
まず、「処方せんを出して薬をもらう薬局(かかりつけの薬局)を決めていますか?」と質問。
すると、74.3%もの人が「かかりつけの薬局がない」と回答した。
逆に「ある」と回答した人の理由として、「病院・医院からの距離が近い(57.1%)」、「スタッフの対応がいい(36.5%)」、「家・職場からの距離が近い(33.5%)」など、物理的な利便性を挙げる人が多かった。
また、「薬について疑問や不安を抱いたことはありますか?」と質問したところ、29.2%の人があると回答。
その解決方法として薬剤師に尋ねた人が一番多く、中でもかかりつけの薬局がある人ほどその傾向は高いようだ。
一般市民にとって、薬剤師はどのような役割だと認識されているのか?調査では、「処方せんの薬を調剤する(86.8%)」「使用量や使用のタイミングなど、薬の服用の仕方を指導する(65.2%)が多く、「薬についての相談にのる」は33.6%にとどまった。
村本氏は「薬局の薬剤師の役割が、一般市民にまだ十分に認知されていない傾向があり、より一層の認知向上が必要」と述べた。
また同協会は、かかりつけの薬局選びの基準として、以下の4項目を挙げている。
・説明……薬についてきちんと説明してくれるかどうか?
・気軽……分からないことは気軽に相談できるかどうか?
・情報……お薬手帳や文書で薬の情報をくれるかどうか?
・信頼……信頼できる薬剤師がいるかどうか?平成21年(2009)に改正薬事法の施行に伴い、第一類医薬品の販売は薬剤師による説明が必要とされ、徐々に薬剤師に期待される役割は拡大傾向にある。
こういった背景の中、我々消費者は安心して薬を使用するために、かかりつけの薬局、薬剤師を活用することが大切かもしれない。※くすりの継続的な使用期間が1カ月未満の人を対象とし、慢性疾患患者を除く【拡大画像を含む完全版はこちら】