JAL、航空機の歴史 (5) 大量輸送時代を象徴する画期的な旅客機を購入。時代は“ジャンボ”へ
1970年代に入ると、画期的な旅客機が誕生する。ボーイング747-100、すなわちジャンボジェット機である。
1965年、航空機メーカーのボーイング社はそれまで最大200に満たなかった座席数を、一気に500まで増やす旅客機の採用を日本航空に打診する。購入価格は当時の金額で1機61億円。今の最新鋭旅客機と比べると、5倍ほどもする高額な旅客機だった。
当初、社内では慎重に購入検討を進めていたが、ライバルのパン・アメリカン航空が発注すると、日本航空も発注を決断。当時は高度経済成長期であり、また、1964年に海外旅行が自由化されたことで、旅客数が大幅に増え続ける市場環境も購入を後押しする要因となった。
そして1970年7月、日本航空のジャンボは太平洋線に就航した。
ジャンボは世界初の2階建て旅客機であり、また、世界初のワイドボディ機でもあった。それまでは客室の通路が一本のナロウボディ機しかなかったが、客室の横幅が大きく広がったことで横に10前後の座席を設置できるようになり、通路を2本にする必要が生じたわけである。
ジャンボ機が就航する前年の1969年4月には、DC-8-61型機を東南アジア線に導入。