「京町家」ってどうして涼しいの? 町家造りの秘密とは……
夏の蒸し暑さが特徴的な京都では、人々は昔から、暑さをしのぐために知恵を絞りながら暮らしてきました。京都の伝統的な住まいである京町家には、そんな知恵と工夫がたくさん詰まっていると言います。京都在住のライターが、京町家の涼しさの“秘密”をお伝えします。
■京町家って、どんな家?
町家=「京都の古い家」というイメージは誰にでもあると思いますが、具体的にどんな家なのかよくわからない人も多いのでは?
厳密な基準や定義はないようですが、一般的に京町家とは、伝統的な軸組木造(柱や梁などの軸組で支える工法)で建てられた、間口が狭く奥に長い建物のことを指します。外側には、瓦屋根、表格子、虫籠窓、土壁などが、内部の間取りには、通り庭、続き間、坪庭などがあるのが特徴。原型ができたのは江戸時代中期と言われ、もともとは、通りに面して商いを行いながら、奥では生活を営む「職住一体」の居住スタイルが基本でした。
■住まいのあちこちに、風を通す工夫が
そもそも京町家は、通り沿いに密集して建てられており、両脇が隣家と接していたわけですから、環境的に決して恵まれていたわけではありません。しかしその分、建物の随所に、夏を過ごしやすくする工夫が凝らされています。